
青木宏行
3:06 - 一般公開
「みる神」撮影裏話③
これで最後です。
※写真が削除されちゃったのでもう一度アップし直します。
晴れ女のナミダ
撮影最終日となった熊野は、
前日深夜にみるきー本人とスタッフ全員が名古屋に宿泊して、朝5時集合でロケバスで熊野に向けて出発。夕方6時には熊野をでて、みるきーを奈良まで送っていくというタイトなスケジュールでした。
しかも、当日、名古屋は大雨。
熊野も天気予報では、かなり強い雨マークが出ていました。
撮影そのものが無理なのでは、と思われるほど、熊野までの途中は大雨。
ところが、「私、晴れ女なんです」と豪語するみるきー。熊野に入ると突然、雨は静まったのです。
もともと雨の多い地域なので、
まあなんとか午前中だけでも雨が降らないでくれれば、と祈っていたのですが、おばあちゃん家の周りの田んぼにたくさんのトンボが飛んでいるのを見て、
野澤カメラマンが、
「これでしばらくは雨は降りませんよ」
と叫んだのです。
昆虫博士の野澤カメラマンは、トンボの生態にも詳しく、
大量のトンボが飛んでいれば、しばらくは雨が降らないという豆知識を披露したのでした。
結局、野澤の予言通り、
天気は、夕方の海岸での撮影まで持ち、そろそろおばあちゃんの家まで戻ろうか、という頃にポツポツと雨が降り出しました。
そして、いよいよ、おばあちゃんの家の居間で、この写真集のラストカットの撮影です。
遊び疲れたみるきーが、居間でゴロッと休んでいるというシーン。
しかし、
それまで明るかったみるきーが急に物静かになってしまったのです。
カメラマンの声も聞こえていないかのように、何か遠くを見つめているような。
それがこの写真です。
どこか表情が寂しげですよね。
撮影の後も、どこか元気がなくなっていて、やっぱり疲れちゃったのかな、とか、おばあちゃん家から帰らなければならないので、寂しくなっちゃったのかな、とか、いろいろ考えたのですが、とりあえずそっとしておいてあげようと思いました。
後日、写真集のゲラを見ていた
みるきーが、
「あ、あたし、泣いてる」
熊野の居間のページを見ながら叫びました。
僕も野澤も気づかずに選んでいたのですが、
確かに居間で横たわっている顔のアップの写真の右目から一雫の涙がこぼれ落ちていたのです。
撮影当初から、みるきーの涙を
一枚撮りたいと言っていたのですが、笑顔が溢れる写真集にしたいと、拒否られていました。
なので、涙が写っていたのは、本当に意外でした。
彼女に涙の理由を聞くと、
「写真集の撮影が終わりだと思ったら急に寂しくなってしまったんです」
確かに、居間での撮影の前に、
「これがラストカットになります」
と言うと、ちょっと驚いたような表情で、
「もう撮影しないんですか?」
と、言っていたのを思い出しました。
それから、急にもの静かになってしまったのです。
打ち合わせから数えると、約2カ月半。夢だった自分の写真集が決まった時の喜びはひとしおだったと思います。
こんなところで撮りたいとかこんな写真を撮りたいとか、次々とアイデアが浮かんでくるのに驚かされましたし、また、超多忙なため、スケジュールがまったくとれず、合間をぬってのタイトな撮影でしたが、睡眠不足も物ともせず、楽しそうに撮影に臨んでいました。
たぶん、そんな写真集への熱い思いが一雫の涙に変わったんだ、と思いました。
ファンの方は、すでに皆さん見ていると思いますが、そうでない方にもぜひ手に取って欲しい一冊です。
この写真集面白いよ、と口コミしてもらえたら嬉しいです。
長くなりましたが、撮影裏話はこれで終わりにします。